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2021年06月02日

川崎重工、水素航空機開発に参画へ 燃料タンク・エンジン主導、35年以降投入目指す

川崎重工業(7012)の橋本康彦社長は、6月1日に開催したアナリスト向けのグループビジョン2030進捗報告会で、水素燃料を航空機分野へ展開し水素航空機の開発に参画する意向を示しました。燃料タンクやエンジンなどの開発を主導し、2035年以降の市場投入を目指すとのことです。橋本社長は「液体水素燃料タンクや水素燃料供給システムなど、中核技術を主導する」と述べ、拡大が見込まれる水素分野を強化するとしました。川崎重工は水素を使った航空機エンジンのほかオートバイや水素発電事業なども展開し、本社に水素戦略本部を立ちあげました。水素航空機開発の進捗について、橋本社長に代わり説明した並木祐之副社長は「(水素機は)いままでにないコンセプト。機体の形状が重要で、水素タンクが与える影響が大きい」と述べ、川重は同じカンパニー内で機体とエンジンを手掛けていることから、「両方が水素に適合できるように検討を進めている」とし、社内でのコンセプト策定後に他社との協業を進めるとの展望を示しました。川崎重工は防衛向けではP-1哨戒機やC-2輸送機、民間向けではボーイング787型機の前部胴体や777の前・中部胴体パネルなどを担当。ボーイング向け以外では国産ヘリコプター「BK117」のほか、英ロールス・ロイス向けにターボファンエンジンのファンケースなども手掛けています。報告会では、ロボットを使用した移動式PCR検査システムの進展も発表し、5月に導入した関西空港のほか、他空港からも引き合いがあったことを明らかにしました。検査システムは40フィート(約12メートル)コンテナにパッケージ化。トレーラーで運送し設置します。コンテナ内にはおよそ10機のロボットを配置し、試薬調製や核酸抽出、遠心分離などのPCR検査に必要な工程を進めます。稼働時間を16時間とした場合、1コンテナで2000検体検査できます。関空では国際線出発客向けに導入し、医療機関による検査開始は今年の夏ごろをを予定しています。また、無人のVTOL(垂直離着陸機)による物流も手掛け、200キロ以上のものを運搬できるように開発を進め、年内の飛行試験を想定しています。航空宇宙事業は、新型コロナウイルスの感染拡大により収益が悪化。航空宇宙システムの低迷期はPCR検査の需要が大きくなることから、減少した売上高をPCR検査事業で補う推算です。一方でワクチンの普及により航空需要の回復後でも、空港などでの検疫検査ロボットの需要は一定数残るとみています。IATA(国際航空運送協会)は航空需要の回復について、2024年にコロナ前の水準に戻ると予測。橋本社長も航空宇宙事業が回復するのは2024年になるとみており、航空事業をPCR検査事業で補完することで売上高を確保する見通しを示しました。橋本社長は「2020年度は、厳しい環境で対応したが赤字となった」と振り返り、2021年度(22年3月期)は「固めにみても黒字・復配は間違いない」と黒字化に向けた意気込みを語りました。



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Posted by 株式会社CSセンター at 13:31 │海外渡航情報国内旅行情報