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2021年02月05日

JAL 古着から国産バイオ燃料、787で初運航

日本航空(JAL/JL、9201)は2月4日、古着25万着の綿から製造した国産バイオジェット燃料を、羽田発福岡行きJL319便(ボーイング787-8型機、登録記号JA849J)で初めて使用しました。国産バイオジェット燃料の実用化に向けた取り組みの一環で、ノウハウを蓄積するのが主な目的です。海外製も含めると、早ければ5-6年後にはバイオ燃料の導入規模拡大を視野に入れているとのことです。羽田-福岡間で必要になる燃料は片道約2万リットルです。今回は古着由来バイオ燃料とケロシンを混ぜた400リットルを、羽田を出発前のJL319便に給油しました。400リットルのうち、古着由来燃料は60リットルの製造を予定していましたが、古着の糖化を除く過程で20-30%程度の収率悪化により、実際に製造できた量は想定を下回ったということです。今回の燃料は国産で、全国から不要になった古着約25万着を2018年10月から2019年1月にかけて回収。Green Earth Institute,日本環境設計,公益財団法人・地球環境産業技術研究機構をはじめ、国内企業複数社の協力を得て、古着の綿からバイオジェット燃料を2019年1月から2020年3月にかけて製造しました。バイオジェット燃料の国際規格「ASTM D7566 Annex 5」の適合検査には、2020年3月下旬に合格。同年6月中旬に既存のジェット燃料との混合を終え、一般のジェット燃料として、商業運航での利用が可能になりました。今回のプロジェクトについて、JAL総合調達部燃料グループの上野和孝グループ長は、「燃料の使用者として、知見を蓄積するために作った」と述べ、バイオジェット燃料が今後国産化されていく中、作り方や課題を把握することが狙いで、古着由来の燃料を作り続けるわけではないとのことです。課題となった点のひとつが、「製造するボリュームが大きくなると、品質が安定しない」ことだったといいます。こうした経験を、国産化に向けた取り組みに生かしていきます。現在のバイオジェット燃料の値段は、通常のジェット燃料と比べて5-6倍ですが、補助金が出るようになってきたことで、航空会社の利用が徐々に増えてきました。「米国の出資先(のバイオ燃料企業)から供給してもらえるようになれば、(助成のある)西海岸から積みたい」(上野氏)と、海外でコストメリットがある空港からバイオ燃料の給油を導入していく見込みです。


Posted by 株式会社CSセンター at 18:37